どんな病気なの?
手根管症候群とは、手根管と呼ばれる正中神経の通り道が圧迫されることによって発生する症状の総称です。
手根管症候群といってもたくさんの症状があるため、注意してください。
画像のように横手根靭帯が正中神経を圧迫してしまいます。

起こり得る症状
親指から薬指外側までの痺れ
程度はさまざまで、ほぼ気にならない方・指先の痺れが強くものが持てない方などいらっしゃるようです。
痺れを指先に蟻が這っているようだという意味で蟻走感(ぎそうかん)と呼ぶことがあります。
母指球筋の萎縮
正中神経の圧迫により、母指球筋(親指の付け根の筋肉)が痩せていきます。
その結果、下の画像のように親指と小指の対立運動(指をくっつける動き)ができなくなります。

また、同じ理由で指でOKをすることができなくなります。

診断に使用される各種兆候
ファーレン徴候
両手背を下の画像のようにすることで、手指に痺れが発生・増悪することがあります。

チネル徴候
手関節を叩くことで痺れが発生・増悪することがあります。

ダルカン兆候
チネル兆候と同じように手関節を指で圧迫することで、痺れが発生・増悪することがあります。
治療方法
初期には手関節の安静、鎮痛薬の服薬、湿布などの貼付などを行います。
それでも改善が見られない場合には、手術となります。
手術は内視鏡を使用するため、1cm程度の傷が2つで行うことができます。
手術内容としては、内視鏡を使用し横手根靭帯を切開し正中神経の圧迫を解除するといったものになります。
筋肉を切って神経の通り道を広げる手術だと思っていただければわかりやすいかと思います。
過去には手掌を切り開いていた時代もあったようですが、侵襲の大きさから現在はほとんど行われていないようです。
手術後の症状
症状がひどく手術を行なった場合は、2週間程度の入院となりその間に服薬・リハビリを行っていきます。
神経症状は千差万別で手術後も完璧に痺れがなくならないこともあります。
その場合には、服薬等でコントロールしていくことになります。
術後に痺れが残る方の多くは、長い間手根管症候群を放置していたことが原因となるようです。
早めの受診を心がけたいですね。
まとめ
以上が手根管症候群のまとめです。
もし周りに手根管症候群の方がいらっしゃいましたら、痺れが残らないように早めに受診されるよう助言をしてあげてください。
質問や意見等ありましたらコメントにてよろしくお願いします。