どんな病気なの?
膝関節にはクッションの役目をする関節軟骨という軟骨があり、膝の骨同士がぶつかるのを防いでいます。
しかし、老化などが原因で関節軟骨が減少することで骨がぶつかります。
その結果、体動時の膝の痛み・膝が曲がりにくい・膝が腫れる・膝の変形等の症状が出現します。
これらの症状を変形性膝関節症(膝OA)と呼びます!

治療方法
初期の変形性膝関節症には、保存療法として減量・リハビリ・装具の使用・鎮痛薬の服用・ヒアルロン酸、ステロイドの関節内注射等を行います。
これらの治療で変形性膝関節症の進行が抑えられず、症状が悪化してしまった場合には手術の適応となります。
どんな手術なの?
手術には三種類あり、TKA、UKA、HTOと呼ばれています。
TKA
TKAは全人工関節置換術の略で、文字通り膝の関節を全て人工関節に変えてしまう手術です。(画像左)
膝の関節が全体的に痛んでいる方(変形性膝関節症末期)、高齢の方に行うことが多いです。
手術は、全身麻酔または腰椎麻酔で行われます。
術後は1ヶ月程度入院していただき、服薬やリハビリを行っていただきます。
UKA
UKAは人口膝単顆置換術の略で、膝の半分だけを人工関節に変えてしまう手術です。(画像中央)
TKAと比べて膝の半分だけが痛んでいる方や比較的若い年齢の方に行う場合が多く、将来的にTKAを行う方も少なくありません。
麻酔の方法や入院期間、内容はTKAと同じです。
HTO
HTOは高位脛骨骨切り術の略で、膝関節の脛骨という骨を切り角度を調整することで軟骨の減っていない部分で膝を支える手術です。(画像右)
変形性膝関節症の進行が中期で、活動量が比較的多い方に多く行われている手術です。
入院期間は状況にもよりますが1ヶ月以内です。
入院中はTKA、UKAと同じくリハビリ・服薬を行います。

まとめ
以上が変形性膝関節症(膝OA)の解説です。
膝が痛んで変形してしまう病気、進行すれば人工関節などの手術になる。と覚えてください。
日本は諸国に比べて変形性膝関節症の発症率が高く、自覚していなくても多くの方がこの症状で悩んでいます。
もし周囲でそんな方がいらっしゃれば一声かけてあげてください。
質問等ありましたら、コメントにてお願いします。
他の疾患のまとめはこちらから!